8月3日、国立科学博物館において、栄光キャリアルートが実施したWorld Tripの様子をお伝えします。
[目次]
英語ネイティブ講師と一緒に過ごし、活動を通して、いつの間にか自然に『英語でコミュニケーション』ができることを目標とします。
楽しみながら、さまざまな場面の身近な英語表現に触れることで、実際に使える英語を身につける体験型プログラムです。
今回のプログラムは、地球や生命がテーマの『国立科学博物館』を舞台に、英語ネイティブ講師と一緒に探検しました。
科学と聞くと難しそうに感じますが、こちらの施設は巨大な恐竜の骨やさまざまな動物の剥製など、子どもの好奇心に応えてくれる展示がたくさんあり、楽しみながら学べることができます。
展示に触れながら、それぞれの表現を英語で学ぶと同時に、なぜ?どうして?の疑問が芽生え、英語とともに地球や科学への興味も湧いてくる一石二鳥の講座となっています。
当日は朝から30℃を超える猛暑の中、涼しい木陰での集合となりました。
担当の先生からネームタグやワークブックなどが手渡され、先生の自己紹介の後は迷子にならないよう「バディ」を決めて出発となります。
午前の冒険は、日本の歴史と自然が詰まった『Japan Gallery(日本館)』からスタートします。
この建物は、まるで美術館と宮殿が融合したような荘厳な空間です。
アーチ状の天井には繊細な装飾が施されており、訪れる人々を圧倒する美しさです。
子どもたちはその壮麗な天井に目を奪われながら、わくわくした表情で3階へと向かいます。
そして北側の展示室に足を踏み入れた瞬間、空中を舞う巨大な龍のような骨格が目の前に現れます。
「これは何の展示かな?」と先生が英語で問いかけると、子どもたちはワークブックを見ながら「Futabasaurus!」と元気に答えます。
「Great job! This is a Futabasaurus. It’s the first dinosaur fossil discovered in Japan.」と先生が優しく解説。
日本で初めて見つかった恐竜の化石だと知り、子どもたちの目はさらに輝きます。
先生は、難しい英語や専門用語を使うときには、ゆっくりと発音し、身振り手振りを交えて説明します。 たとえば「fossil(化石)」という言葉を紹介する場面では、実際の骨格標本を指しながら、「これが fossil だよ」と視覚的に理解できるよう工夫しています。
知識がなくても、英語が初めてでも、自然と学びが深まるような体験がそこにはあります。
巨大な恐竜の骨格が、まるで今にも空から降りてきそうな迫力で子どもたちの頭上に広がっています。
その圧倒的なスケールに、子どもたちは思わず息をのみ、目を丸くして見上げます。
すると先生が、優しく問いかけます。
「Where do you think this dinosaur lived? Take a closer look at its body.(この恐竜はどこで暮らしていたと思う?体のつくりをよく見てみよう。)」
先生は展示されている骨格を“生きた教材”として活用し、恐竜の前肢を指さしながら、自ら腕をヒレのように動かして泳ぐジェスチャーを披露します。
まるで先生自身が海の中を漂っているかのようです。
その動きに導かれるように、子どもたちの中から「Sea!」という声が上がります。
先生はにっこりと微笑みながら答えます。
「Correct. The limbs are finned, so you can see that they lived in the sea.」
(正解です。手足がヒレの形をしているので、海で暮らしていたことがわかりますね。)
骨格の細部を観察し、英語で答えを導き出す体験は、まさに“発見の瞬間”です。
子どもたちは、ただ展示を見るだけでなく、考え、感じ、学びながら、恐竜の世界へと一歩踏み込んでいきます。
次は、神秘的な海の世界へと誘う『Sea of Ammonites(アンモナイトの海)』。
この展示ブースには、形も大きさもさまざまなアンモナイトの化石がずらりと並び、まるで太古の海がそのまま切り取られたかのような空間が広がっています。
先生はまず、子どもたちに「Ammonite」という英語の発音を紹介します。
「アンモナイト」とは少し違う響きに、子どもたちは耳を澄ませながら、声に出して繰り返します。
目の前に本物の化石があることで、言葉と実物がリンクし、記憶にも深く刻まれていきます。こうした“見て・聞いて・話す”体験が、英語の定着をぐっと高めてくれるのです。
先生がふと足を止め、近くにいた博物館のスタッフに何かを尋ねに行きます。
少しして戻ってくると、子どもたちに向かってこう言いました。
「Good news! You can touch the ammonites that aren’t inside glass cases. Go ahead and feel them gently with your hands!」
(いい知らせです!ガラスケースに入っていないアンモナイトは触ってもいいそうですよ。そっと手で触ってみましょう。)
その言葉に、子どもたちは目を輝かせながら展示に近づき、思い思いにアンモナイトに触れていきます。
「なんかザラザラしてる!」 「これ、すごく重そうだね」 「ほんとに昔、生きてたんだよね…?」
それぞれの手のひらに伝わる感触が、太古の海の記憶を呼び起こすように、子どもたちの想像力を刺激していました。
ただ“見る”だけではなく、“触れる”ことで、アンモナイトは彼らにとってぐっと身近な存在になっていったのです。
化石をじっと見つめる子どもたちに、先生が語りかけます。
「Long ago, the seas around Japan were full of ammonites. Can you imagine what the ocean looked like back then?」
(昔、日本の海にはたくさんのアンモナイトが暮らしていたんだよ。その頃の海の様子、想像できるかな?)
その言葉に、子どもたちは静かに目を輝かせながら、頭の中で太古の海を描き始めます。
波の間を漂うアンモナイトたち、光の届かない深海、そして今は静かに眠る化石たち。
展示はただの“標本”ではなく、子どもたちの想像力を刺激する“タイムマシン”のような存在になっていました。
午前の後半は、日本館2階にある「日本人と自然」をテーマにした展示エリアへ。
ここでは、日本人の暮らしや文化と深く関わってきた動物たちの姿が紹介されています。 展示を前に、先生が「Let’s open your workbook to the animal page.」と声をかけると、子どもたちはページをめくり、そこに並ぶ動物たちの写真に目を輝かせます。
白い犬の写真には「HACHI」と書かれており、渋谷駅前の銅像で有名な忠犬ハチ公。 茶色い犬には「JIRO」とあり、南極物語で知られる探検犬の姿も。
先生は「Look for the animals in the picture here, and check them off in your workbook when you find them.」と説明し、子どもたちはペアになって館内を探検し始めました。
しばらくすると、先生がある展示の前で足を止めます。そこには、茶色いネコと鮮やかな羽を持つ鳥の剥製が並んでいます。 「Do you know this cat and bird?」と先生が問いかけると、子どもたちの中から「イリオモテヤマネコ!」という声が上がります。
先生はうなずきながら、こう続けます。
「Yes. This is the Iriomote Wild Cat and the Okinawa Rail. These animals are endangered. There are so few left that they might disappear someday.」
その言葉に、先生は悲しそうな表情を浮かべ、両手で“少ない”を示すジェスチャーを添えます。
子どもたちは、先生の表情や身振りから言葉以上のメッセージを受け取り、絶滅の危機にある生き物たちの現状を肌で感じているようでした。
ただ知識を得るだけでなく、心で学ぶ時間がそこには流れていました。
すべての展示を見終え、ワークブックの課題も完了。最後にミュージアムショップでお土産を選び、午前のプログラムは無事終了となりました。
集合場所では、今日の先生たちが明るくお出迎えです。
「Hi everyone! Let’s go on a nature adventure together!」と元気に挨拶。
午後からの参加の子どもたちと午前から参加している子どもたちと仲良く自己紹介など行い、一緒に行動するペアを確認し、午後専用のワークシートを受け取ります。
先生の「Let’s go!」の元気な合図で出発となります。
3階の展示フロアに足を踏み入れると、照明を落とした静かな通路の先に、迫力ある哺乳類と鳥類の剥製がずらり。
テーマは「地球を駆ける命」。
動物たちは、まるで今にも動き出しそうな姿勢で展示されており、子どもたちはそのリアルさに目を見張ります。
展示の前で立ち止まると、先生が「Let’s learn how to describe animals in English!」と声をかけ、ジェスチャーを交えながらワークシートに沿って以下の単語を紹介します。
“Tall”
“Short”
“Heavy”
“Strong”
“Fast”
“Cool”
“Scary”
“Jump”
子どもたちは先生の動きを真似しながら、何度も発音を繰り返し、言葉と身体の感覚をリンクさせて覚えていきます。
子どもたちに配られたワークブックには、英語で書かれた動物の名前と写真が並んでおり、展示の中でその動物を見つけたら、横のチェック欄に印をつける仕組みになっています。
展示を見て回る中で、先生が『African Buffalo』の剥製を指差しながら、「Let’s look for the African Buffalo. Do you see it? How does it look? Is it big or small? Is it light or heavy?」と声をかけると、子どもたちは目を輝かせながら「It’s big and heavy!」と元気に答え、ワークブックにチェックを入れていました。
すべての動物を確認し終えた後、先生は一人ひとりに「Tell me one animal you liked and why.」と質問。
ある子どもは「I liked the cheetah because it runs fast!」と答え、別の子どもは「I liked the owl because it flies quietly.」と発表。
これは、英語で自分の考えを伝える練習でもあり、みんなの前で話すことに慣れる大切なステップです。
続いて、地球館の地下2階へと移動します。
このフロアでは、地球の長い歴史の中で起こった環境の変化と、それに伴う生物の進化について学ぶことができます。子どもたちは先生に導かれながら、静かで少しひんやりとした展示エリアへと足を踏み入れました。
先生は展示の前で立ち止まると、「Let’s learn about old animals and how our planet has changed.」と声をかけ、まずはこのフロアでよく使う英単語を紹介します。
先生はわかりやすいジェスチャーを交えながら、
“Earth”
“Sea”
“Forest”
“Fossil”
“Mammoth”
“Stone”
“Old”
などの言葉を一つずつ発音し、子どもたちもそれに続いて声を出します。
その後、シーラカンスの展示の前に立ち、「This is a coelacanth. Can you say ‘coelacanth’ with me? Great! Now, is it modern or ancient? Is it tiny or big?」と質問すると、子どもたちは「coelacanth」と何度も発音して、「It’s ancient and big!」と答え、ワークブックにチェックを入れていました。
先生は「Yes! It’s a living fossil. Isn’t that amazing?」と笑顔で返します。
さらに進むと、天井近くまでそびえる巨大な骨格標本の下に到着します。
先生は驚いた表情で「Whoa! Look at that! That’s enormous!」と叫び、両手を高く広げてそのサイズを表現します。
「We don’t say just ‘big’—this is enormous or huge!」と語彙の違いを説明すると、子どもたちは「Enormous!」「Hug!」と声をそろえて発音しながら、見上げるように骨格を眺めていました。
この日の活動は、英語を通して地球の歴史や生物の進化に触れる貴重な時間となり、子どもたちは言葉と知識を一緒に吸収しながら、楽しそうに学びを深めていました。展示を見終えたあとも、「Coelacanth! Enormous! Huge!」と口ずさむ姿が印象的でした。
「科博といえば恐竜!」——そんな声が聞こえてくるほど人気の展示が、地球館B1階に広がっています。
そこには、ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルスなど、圧倒的なスケールの復元骨格がずらり。
まるで太古の世界にタイムスリップしたかのような空間です。
子どもたちは英語のワークシートを手に、バディとペアになって恐竜探しに出発!
先生からのミッションはこうです。
「Find the Tyrannosaurus, Triceratops, and Stegosaurus, and check them off on the worksheet.」
展示を巡る中、先生は子どもたちをティラノサウルスとトリケラトプスが向かい合うエリアへと案内します。そして、英語で問いかけます。
「Does the Tyrannosaurus eat meat? Or does it eat plants?”」
元気いっぱいの子どもたちが「Meat!」と答えると、続けて先生はこう聞きます。
「What about the Triceratops? Meat or plants?」
今度は「Plants!」と即答。
先生はさらに質問を重ねます。
「What is the difference between a meat-eating Tyrannosaurus and a plant-eating Triceratops?」
少し考えた後、ある子が「Teeth!」と叫びます。先生は笑顔でうなずきながらこう説明します。
「That’s right! The teeth are different. Meat-eating dinosaurs have very sharp teeth. Plant-eating dinosaurs have flat teeth.」
目の前の巨大な恐竜を見ながら、英語のフレーズとともに、食性による身体の違いを実感する子どもたち。まさに“生きた教材”です。
その後も先生は、恐竜の運動能力や捕食・防御の方法について、ジェスチャーや英語のキーワードを交えながら、楽しく解説。
子どもたちは体を動かしながら、英語と科学の両方を体感していきます。
最後はお楽しみのショッピングタイム!
午前・午後の参加者が一緒になって、自分のお財布と相談しながら計算し、欲しいお土産を選ぶ姿は真剣そのもの。
買い物を終えた子どもたちは、先生とハイタッチを交わしながら笑顔で帰路につきました。
『国立科学博物館』を舞台とする本講座は、言語学習と科学学習を融合させた、極めて実践的かつ多角的な学びの場です。
目の前に広がる“生きた教材”——恐竜の復元骨格や科学展示を前に、ネイティブ講師による“生きた英語”を介して、子どもたちは英語を単なる教科としてではなく、知識を広げるためのツールとして自然に使いこなす環境に身を置きます。
この講座では、英語の単語や文章をただ暗記するのではなく、五感を使って体験しながら習得することを重視しています。実際の状況で英語を使うことで、その言葉の背景にある文化や文脈を深く理解する機会にもつながり、学びはより豊かで立体的なものになります。
英語は“道具”です。使わなければ意味がなく、使わなければサビてしまいます。
インプットした知識をアウトプットすることで、初めてその道具は機能します。
本講座では、子どもたちが英語を実際に「話す」「聞く」「書く」ことで、言語を使う力=コミュニケーション力を育んでいきます。
また、テストのように100%の正解を求める場ではなく、人と人とが理解し合えることこそが大切であるという考えのもと、満点でなくてもOK、伝わればそれで十分という姿勢を大切にしています。
英語を通じて「伝える楽しさ」「学ぶ喜び」を実感することが、子どもたちの学びへの意欲を引き出す第一歩となります。
未来の国際社会を生き抜く力を育む、かけがえのない経験となることを願い、このような、本当の意味での「言語学習の場」を子どもたちに提供することを目的に、今後も継続して本講座を実施してまいります。
WorldTrip事務局
Email:worldtrip_ecr@eikoh.co.jp開催日時
2025年10月19日(日) 10:00~16:30申込締切
2025年10月14日(火)開催日時
2025年10月25日(土) 10:00~15:00申込締切
2025年10月20日(月)開催日時
2025年10月26日(日) 10:00~12:30申込締切
2025年10月21日(火)開催日時
2025年10月26日(日) 13:30~16:00申込締切
2025年10月21日(火)開催日時
2025年11月02日(日) 10:00~14:30申込締切
2025年10月28日(火)