2月16日、国立科学博物館において、栄光キャリアルートが実施したWorld Tripの様子をお伝えします。
[目次]
英語ネイティブ講師と一緒に過ごし、活動を通して、いつの間にか自然に『英語でコミュニケーション』ができることを目標とします。
楽しみながら、さまざまな場面の身近な英語表現に触れることで、実際に使える英語を身につける体験型プログラムです。
今回のプログラムは、地球や生命がテーマの『国立科学博物館』を舞台に、英語ネイティブ講師と一緒に探検しました。
科学と聞くと難しそうに感じますが、こちらの施設は巨大な恐竜の骨や様々な動物の剥製など、子どもの好奇心に応えてくれる展示がたくさんあり、楽しみながら学べることができます。
展示に触れながら、それぞれの表現を英語で学ぶと同時に、なぜ?どうして?の疑問が芽生え、英語とともに地球や科学への興味も湧いてくる一石二鳥の講座となっています。
当日は肌寒い中の集合となりましたが、担当の先生からネームタグやワークブックなどが手渡され、先生の自己紹介の後は迷子にならないよう「バディ」を決めて出発です。
午前コースは『Japan Gallery(日本館)』を探検します。
この日本館は、日本の自然史や文化を紹介する展示が豊富に揃っており、近代日本の建築の象徴と言われています。豪華な装飾が施されたアーチ型のデザイン性の高い天井は非常に見ごたえのある建造物としても有名です。
子どもたちはその美しい天井を見上げながら、3階を目指します。
3階の北翼に到着すると、突然大きな龍が空を飛んでいるような全身骨格の展示に目を奪われます。
先生から「What is this exhibition?(何の展示でしょうか?)」と質問が投げかけられ、
子どもたちがワークブックを見て「Futabasaurus!」と答えると、「That’s correct. This is a Futabasaurus. The first fossil was discovered in Japan. (正解です。フタバスズキリュウです。日本で初めて化石が発見されました。)」と伝えられました。
先生は難しい単語や長い会話をする際には、聞きやすいようにゆっくり発音し、わかりやすいジェスチャーを交えながら、知識がなくても理解できるように工夫しながら進めていきます。
ここでも「fossil=化石」という言葉を使う際、『フタバスズキリュウ』の骨格や近くに展示されている別の化石を示しながら、説明していました。
子どもたちが自分たちの真上にある今にも動き出しそうなこの化石の大きさと迫力に圧倒されていると、先生から「Where do you think this dinosaur lived?Take a closer look at the body parts of this dinosaur.(この恐竜はどこで暮らしていたと思いますか?恐竜の体の部分をよく見てください。)」と伝えられます。
先生はこの際も、目の前の骨格を“教科書”として使い、「ヒレ」のような箇所を先生自ら手を動かして、泳いでいるようなジェスチャーをしています。
子どもたちから「Sea!」と声が上がると先生は「Correct. The limbs are finned, so you can see that they lived in the sea.(正解です。手足がヒレになっているので、海で暮らしていたことがわかります。)」と解説しました。
次に『アンモナイト』の展示ブースに移動します。
『Sea of Ammonites(アンモナイトの海)』というこのブースには、色々な種類の『アンモナイト』が展示されています。
まず先生から『アンモナイト』という英語の発音を学び、みんなで3回発音して定着化させます。
他の展示でも頻繁に行われているのですが、現物を目前にその現物の単語の発音を学ぶことで、より理解度も定着度も上がるのです。
先生から「It can be seen that many ammonites found in Japan were inhabited by many ammonites a long time ago. It’s interesting to imagine the sea in Japan a long time ago when ammonites were alive. (多くのアンモナイトが日本で見つかったことから、大昔に多くのアンモナイトが生息していたことがわかります。この日本でアンモナイトが生きていた頃の海を想像してみるとおもしろいですね。)」と話し、子どもたちもアンモナイトが海で生きていた頃の姿を頭の中で想像しているようでした。
ここは「日本人と自然」というテーマのフロアです。日本人の歴史と文化に関連した展示となっており、日本人が育んだ生き物についての展示もあります。
先生から指定されたワークブックのページを開くと、色々な動物の写真が掲載されており、中には渋谷駅前の像で有名な『HACHI』と書かれた白い犬の写真や、南極物語に出てきた『JIRO』と書かれた茶色い犬の写真などもあります。
子どもたちは「Look for the animals in the picture here, and check them off in your workbook when you find them.(ここにある写真の動物を探して、見つけたらワークブックにチェックしましょう。)」という指示を受け、バディごとに動物を探しに行きました。
先生が茶色いネコとオウムのような剥製展示の前で立ち止まり「Do you know this cat and bird?(このネコと鳥を知っていますか?)」と問いかけると、「イリオモテヤマネコ!」と声が聞こえます。先生は「Yes. This is the 『Iriomote Wild Cat』and 『Okinawa Rail』.These numbers have become so small that they are creatures that seem likely to disappear.(はい、これはイリオモテヤマネコとヤンバルクイナです。これらの数はとても少なくなってしまって、いなくなりそうな生き物なのです。)」ととても悲しい表情でジェスチャーを加えながら、絶滅危惧種の説明をしています。
子どもたちも先生の表情やジェスチャーなどを介して、その意味を体全部で学び取っている様子が手に取るようにわかります。
ワークブックの課題や予定の展示エリアなどを全て見学し、お土産購入後、午前の部は終了となりました。
午後コースは『Global Gallery(地球館)』の探検です。
午前同様、集合後に先生の自己紹介があり、バディを組んで出発します。
「地球の多様な環境と生命の共生」をテーマとする地球館では、地球の形成、地球の自然環境、生物の進化と多様性、そして人間と自然の関わりについて学ぶことができます。
3階に移動し、少し暗い廊下を少し進むと、大小様々な沢山の哺乳類の剥製がこちらを向いて展示されていました。「大地を駆ける生命」というテーマで、さまざまな哺乳類と鳥類の剥製は力強く生きていたときの姿を再現しており、実際に動き出しそうな様相でこちらを見つめています。
子どもたちにも馴染み深い『Panda(パンダ)』『Tiger(トラ)』『Jaguar(ジャガー)』『Caribou (トナカイ)』だけでなく、見たことのない動物など数多くの剥製が展示され、子どもたちは興味深そうに見入っています。
まずは、ここの展示エリアでキーとなる単語の練習が行われます。
「Big」「Large」「Small」「Strong」「Weak」「Fast」「Scary」「Jump」など動物の特性や特徴を示す単語をわかりやすいジェスチャーとともに、子どもたちに複数回発音させることにより、子どもたちは言葉と動作を結び付けて覚えることができるのです。
ワークブックには子どもたちでもわかるいくつかの動物の写真と英語名が掲載されており、その動物を見つけたらそれぞれの横にあるチェックボックスに☑できるようになっています。
先生は『African Buffalo』を指差し、『African Buffalo』を子どもたちに発音させて、ワークブックに☑を付けると「Is the African buffalo large?Is it small? Is it strong? Is it weak?(アフリカンバッファローは大きいですか?小さいですか?強いですか?弱いですか?)」と質問します。子どもたちは先ほど習った単語を使いながら「The African buffalo is large and strong.」と答えました。
ワークブックに掲載されている動物について同じような確認を行いながら、少しづつ進んでいきます。
全ての動物についての確認が終わったところで、「What is your favorite animal?(どの動物がいちばん好きですか?)」と一人ひとりに質問をして移動します。
これはただ好き嫌いを聞いているのでなく、自分の意見をみんなの前で発表することに慣れるということも兼ねての質問となっているのです。
次は地下2階です。
地球環境の変動と生物の進化がテーマのこのフロアでは、地球環境の変動とそれに伴う生物の進化について展示されています。
「Earth」「Fossil」「Sea」「Mammoth」「Forest」「Old」・・・など、このフロアでキーとなる単語の練習から始まり、それに関連した展示の前で、同じように質問と練習を行っていきます。
『Coelacanth(シーラカンス)』の展示の前で子どもたちに正しい発音を指導して、「Is the coelacanth new?Old?Small?Large?(シーラカンスは新しいですか?古いですか?小さいですか?大きいですか?)」と質問すると、子どもたちは先ほど学んだ単語で「The coelacanth is old and large.(シーラカンスは古くて大きいです。)」と答えています。
そしてまた少し移動すると、真上に10m以上ありそうな2体の大きな骨格標本の下にたどり着きます。
先生は「It’s huge!(巨大です!)」と言いながら、両手を左右に大きく広げて、その大きさを強調して「It’s not big, it’s huge.(大きいのでなく巨大です。)」と「big」と「huge」の違いを説明しています。
子どもたちは先生を真似るように「It’s huge.」とこの大きな骨格標本を見上げながら自然に発音していました。
「科博と言えば、恐竜展示」と言われ、その中でもこの地球館B1階は『ティラノサウルス』『トリケラトプス』『ステゴサウルス』などの迫力満点の恐竜の復元骨格を見ることができます。
先生から「Find the Tyrannosaurus, Triceratops, and Stegosaurus, and check them off on the worksheet.(ティラノサウルスとトリケラトプスとステゴザウルスを見つけて、ワークシートにチェックしてください。)」と伝えられ、子どもたちはバディと一緒にそれらの恐竜を探しに行きます。しばらくすると、先生は子どもたちを引き連れ、『ティラノサウルス』と『トリケラトプス』が対峙しているところに移動します。
「Does the Tyrannosaurus eat meat?Does it eat plants?(ティラノサウルスは肉を食べますか?草を食べますか?)」と質問すると、子どもたちは大きな声で「Meat!」と答え、「Does the Triceratops eat meat?Does it eat plants?(トリケラトプスは肉を食べますか?草を食べますか?)」という質問には「Plants!」と答えます。
続けて先生が「What is the difference between a meat-eating Tyrannosaurus and a plant-eating Triceratops?(肉を食べるティラノサウルスと草を食べるトリケラトプスと何が違いますか?)」と聞くと、子どもたちは少し考えていましたが、「Teeth!」という声が聞こえてきました。
先生は「That’s right! The teeth are different. The teeth of meat-eating dinosaurs are very sharp. (そのとおり!歯が違います。肉を食べる恐竜の歯はとても鋭いです。)」
「The teeth of plant-rating dinosaurs are flat.(草を食べる恐竜の歯は平らです。)」と伝えます。
子どもたちは英語の解説と実際の生きた“教材”を目の前に見ながら、英語はもちろん、肉食恐竜と草食恐竜の歯の違いなど食生活によって体の構造が異なることも同時に学んでいます。
この後も先生は運動能力の違いや捕食や防御の方法についても、子どもたちが学んだ単語とジェスチャーなども交えてわかりやすく解説しながら見学して回りました。
そして午前の部と同様にお土産購入時間となります。
午後のみの参加の子も午前も参加している子も、自分の持っているお金と買いたいものの値段とを頭の中で必死に計算しながら買い物をし、先生とハイタッチのお別れのあいさつでそれぞれ帰路に就きました。
『国立科学博物館』を舞台とする当講座は、言語学習と科学学習の融合という点で非常に価値があると考えます。ただ単に英語を「聴く」だけでなく、視覚的要素を伴った展示や実際に「話す」「書く」という活動を通じて五感をフルに活用することで、多角的な学びが可能になるからです。
これにより、子どもたちは英語を単なる学習対象ではなく、言語そのものをツールとして活用しながら、新しい知識を吸収する実践的な環境に身を置くことができます。このアプローチは、英語の単語を単に暗記するだけではなく、実際の状況で使うことで、その背景にある文化や文脈も深く理解する機会を与えてくれます。
特にオールイングリッシュの環境で学ぶことで、自然なかたちで英語に触れる時間が増え、実際のコミュニケーション能力が飛躍的に向上します。言語習得を支えるこのような実体験型の学びは、単なる座学では得られない効果を生む、まさに生きた「言語学習の場」と言えるのではないでしょうか。
このような実践は、英語への興味を深めるだけでなく、学びそのものを楽しむ姿勢を育む大切な一歩となります。
未来の国際社会を生き抜く子どもたちにとって、有意義な経験となるべく、引き続き実施してまいります。
WorldTrip事務局
Email:worldtrip_ecr@eikoh.co.jp開催日時
2025年04月06日(日) 10:00~16:00申込締切
2025年04月01日(火)開催日時
2025年04月13日(日) 10:00~15:30申込締切
2025年04月08日(火)開催日時
2025年04月20日(日) 10:00~12:30申込締切
2025年04月15日(火)開催日時
2025年04月20日(日) 13:30~16:00申込締切
2025年04月15日(火)開催日時
2025年04月29日(火) 10:00~12:30申込締切
2025年04月24日(木)