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日本フィルオーケストラ探検隊(2024/09/15)

2024年9月15日(日)、栄光キャリアルートが実施した「日本フィルオーケストラ探検隊@サントリーホール」の様子をお伝えします。

イベントの詳細はこちら

ツクル∞ジブンとは?

教室や教科書では学べない「本物・本当」の「めったにできない」体験に「チャレンジ」することで、これからの未来を自分で考え自分で決める「力」を育む、未来の自分探し講座です。
各分野で活躍するその道のプロが指導する、旅行会社等のレディメイドな講座でなく、楽しみながらも「学ぶ」という学習塾としての栄光の特徴をコンセプトとしたオリジナルの唯一無二の講座となります。

日本フィルハーモニー交響楽団全面協力

1956年創立の日本を代表する日本フィルハーモニー交響楽団の特別体験講座です。
オーケストラについてのワークショップの他、パイプオルガンやゲネプロ(本番間近に本番同様に舞台上で行う通し稽古)の見学等、盛りだくさんの「めったにできない・会えない・入れない」の連続体験のあとはコンサート鑑賞でじっくりゆっくりオーケストラを堪能いただきます。

今回もキャンセル待ち多数の中での実施となりました。

サントリーホールとは?

1986年開館の当ホールは、東京初のクラシック音楽コンサート専用設計ホールで、海外含め多くのオーケストラや著名なソリストなどの公演が行われています。                                 演奏が行われる大ホールは舞台後方にも客席がある日本初の『ヴィンヤード型』コンサートホールです。2006席の座席がぶどうの段々畑状にステージ(太陽)を向いている形式となっており、大ホール正面ステージの真後ろにあるパイプオルガンはストップ数74、パイプ総数5,898本を有する世界でも最大級です。

オーケストラや曲目のレクチャー

集合時間の10時には関係者以外、館内に入ることができません。特別に案内されて入るととても静かです。まずは、ホワイエ(客席から廊下までの間に設けられた、広い通路)で日本フィルハーモニーの高橋さんにご挨拶をしてプログラムのスタートです。
ワークショップの資料となる『オーケストラの楽器たち』が参加者に配られ、 オーケストラの楽器やオーケストラの編成、各楽器や指揮者の役割についてお話しがありました。オーケストラの基本を押さえたら、次には今日の曲目やその作曲家についてのレクチャーです。

今日演奏されるビグドン作曲の『アンファーレ・リトミコ』は日本初演の曲とのことです。そして「今日演奏される『交響曲第5番~革命~』を作曲した、ショスタコーヴィッチは旧ソ連時代に生きた作曲家で、当時ソ連を支配していたスターリンに仕えていました。彼は大学の教授で、立場的には政府に従う立場でしたが、政府に従わない彼の家族や友人たちは迫害を受け、処刑されました。大切な人たちを殺した政権やスターリンに対しての恨みとともに、自分が作りたい曲でなく、スターリンが好む曲を作るという葛藤や苦しみと闘っており、今日演奏される『交響曲第5番~革命~』は特に深い悲しみとスターリンへの抵抗の思いが込められていると言われています。皆さんもこのような背景を理解しながら、今日の演奏を聞いてみてください。」と高橋さんから説明がありました。

その後、「ここで少し気分転換を兼ねて手拍子で演奏をしてみましょう。」と高橋さんは参加者をA・B・Cと3グループに分けて、AとBのグループはそれぞれ少し異なるテンポの手拍子を練習しながら伝え、最後のグループはAとBのグループの手拍子を聞くことに専念するよう指示を出します。
それぞれ練習をし、「AとBのグループの方々は同時にそれぞれの手拍子の演奏をします。お互いにつられないように頑張ってください!せーの!」の合図でAとBは教わった手拍子を始めます。
何度かそれぞれのリズムで手拍子を繰り返すと、AとBの異なるリズムがピッタリと合うときがやってきます。「実際に手拍子している方々はリズムのズレを感じないのですが、聞いている方々にはよくわかるんです。演奏は楽器だけでなく、このように『手拍子』だけでも立派な『音楽』になるんですよ。」と伝えられました。

次に日本フィルハーモニーの理事で、以前はチェロの演奏者でもあった後藤さんからお話しです。
「みなさんが今いる『サントリーホール』は日本で初めてのクラシック専用のホールなんです。どこに座っても演奏の音がきちんと聞こえるよう緻密に設計されたホールで、世界を代表するホールです。世界でもサントリーホールで演奏できるということは特別な意味があるんですよ。」
さらに「日フィルはサントリーホールが開館した当初から使わせていただいていて、日本で一番多くこのホールを使用しているオーケストラなんです。コンサートは演奏者だけでは成り立ちません。演奏者とともに、それを聞くお客様そしてその演奏を行う良いホールがあってこそ成り立ちます。私は、コンサートホールも一つの大切な『楽器』であると考えています。」と説明がありました。

そして、希望者には高橋さんが持参してくださったバイオリンやフルートなどの楽器を持った記念撮影が行われます。

コンサートホール探検へ出発!

「この後はコンサートホールに入ります。客席をジグザクに歩きながらパイプオルガンの前を通っていきますので、客席からステージがどのように見えるか確認してみてください。」との説明でホールに入ります。
2枚の重厚な扉を開けると、ホールには観客が誰もいません。高橋さんは一直線にパイプオルガンに向かうのでなく、階段を上ったり下ったりしながら客席を歩いてパイプオルガンを目指します。
ステージ上を見ると、私服の演奏者たちが集まり始めていて、談笑している方や黙々と練習している方など、ゲネプロ前の穏やかな雰囲気です。
ステージを見下ろしながら回るように歩いてちょうどステージの真裏にあるパイプオルガンの前にたどり着きます。パイプ総数5,898本ある世界最大級のパイプオルガンはとても重厚で、まるで大きな鳥が羽を広げているようでした。

ゲネプロ見学では指揮者のサプライズ!

ホールを出てホワイエに戻ると「そろそろゲネプロが始まりますので、静かにホールに入って客席に移動しましょう。ゲネプロが長く行われる場合は、ゲネプロの途中で退出しますので、迷惑にならないように一番奥に座ります。」と案内がありました。ホールの最上段の一番奥に座ると、先ほどのステージの周りを歩いた時と比べ、とても小さく見えます。

ステージ上に目を向けると、私服の演奏者たちは静かに着席し、ひとりの人物がステージの中心に置かれた指揮台に向かって歩きながら、演奏者たちに向かって挨拶をしています。
そして、ひとりの演奏者が指揮者の隣に立ち、「おはようございます。これからゲネプロを始めます。なお、今日のゲネプロ見学で栄光の方々が来られています。」と案内があり、指揮者はくるっと私たちを向き、大きく手を振ってくれました。
指揮者が譜面で練習したい箇所を伝え、ゲネプロが始まります。
先ほど高橋さんから説明を受けたショスタコーヴィッチ作曲の『交響曲第5番~革命~』のようです。確認したい箇所を伝えては演奏し、指揮者が確認、ときには改善内容を伝えて同じ箇所を何度も演奏しています。指揮者が作曲者であるショスタコーヴィッチの作曲した当時の時代背景や心の葛藤などについて演奏者に伝えていたのですが、先ほど高橋さんが説明してくださった内容そのものです。
『交響曲第5番~革命~』の演奏が終わると、弦楽器の方々を残して、ほとんどの演奏者がステージを退出していきます。次はモーツアルト作曲『バイオリン協奏曲第四番~軍隊~』の練習になるようです。
後藤さんと指揮者がお話ししていたと思ったら、指揮者がこちらに向かって来ました。1階のステージから2階の最上段の奥までかなりの距離がありますが、軽やかな足取りで向かってくると、「こんにちは!今日指揮を行う原田慶太楼です。みなさんは何か楽器をやってるの?」と質問をし、「ここでは、ステージまで遠くて見えないよね。ステージ目の前の最前席に来なよ!」と参加者を引き連れて最前席に移動します。
指揮者や演奏者に手が届きそうなほどの近さで、ソリストである辻彩奈さんもステージ上の指揮者の隣に立っています。
すると指揮者の原田さんは「この楽器知ってる?」と質問を投げかけます。子どもたちは「バイオリン!」と答えます。「正解!ではこのバイオリンより少しだけ大きい楽器知ってる?」「これはビオラだよ。」「では、ビオラよりかなり大きいこの楽器は知ってる?」「チェロ?」「正解!では、最後にこの一番大きな楽器は?」「これはコントラバスだよ。」と弦楽器の紹介をしたうえで「では、それぞれ音の違いを聞いてみよう!」と演奏者に何か弾くようお願いをします。
辻さんがドレミファソラシドを弾くと、次にビオラ、チェロ、コントラバスの順番で演奏者がドレミファソラシドを弾いてくれました。
原田さんが「どんな違いがあった?」と質問すると、子どもたちは「段々音が低くなった!」と答えます。「大正解!楽器の大きさで音も変わるんだね!」と即席の音楽教室が行われた後、ゲネプロが再開されました。
最前列では、指揮者や辻さんの「息の音」も聞こえ、他の演奏者は指揮者の指揮棒とともに、演奏者や指揮者の「息の音」も聞きながらタイミングを確認している様子がよくわかります。
ゲネプロも終了となり、原田さんから「14時から本番です。楽しんでね!」の言葉でゲネプロ見学終了となりました。
ホワイエで再集合となると、高橋さんも少し興奮気味で「めったにこのようなことはないですよ。」と、参加者もとてもうれしそうでした。

本番の演奏がスタート!

参加者は13:20の開場後、各々で席に着き、開演時間を待ちます。
ゲネプロ時は普段着だった演奏者たちも黒い礼服に身を包み指揮者を待っています。
そこに指揮者が入ってきて盛大な拍手が起こります。原田さんの登場です。
高橋さんの説明にあった日本初演の曲のビグドン作曲の『ファンファーレ・リトミコ』で始まります。
参加者も他の観客も初めての曲に聞き入っているようです。
曲が終わり、ゲネプロ時のように、弦楽器の方々を残して、ほとんどの演奏者がステージを退出していきます。
盛大な拍手で指揮者の原田さんが再登場すると、さらに大きな拍手が起こり、バイオリンの辻彩奈さんが登場します。
先ほどゲネプロで聞いたモーツアルト作曲の『バイオリン協奏曲第四番~軍隊~』で、指揮者の原田さんがバイオリンの辻彩奈さんに目を合わせると演奏が開始されました。

15分の休憩後、こちらもゲネプロで聞いたショスタコーヴィッチ作曲の『交響曲第5番~革命~』となり、ホルンのソロで曲が始まります。
参加者は高橋さんそして指揮者の原田さんから説明があったショスタコーヴィッチの葛藤や苦しみを思い浮かべながら、まるで当時の旧ソ連で演奏を聞いているように、一音一音を噛みしめて聞き入っているようでした。

参加者アンケート

  • ステージ近くや練習風景を間近で見たり、楽団の方やマエストロのお話しを直接聞けたりできて、子どもだけではなく大人も良い経験になったと思います。
  • 時間も内容もちょうどよかった。
  • 普段はできない経験ができたことは本当に良かったと思います。
  • 指揮者の方のご厚意で前列の席まで呼んでいただいて、バイオリンの曲が聞けたことがよかった。
  • コンサート以外にも時間をかけてサントリーホールを見ることができてよかった。

まとめ

今回もキャンセル待ち多数の中での実施となりましたが、特に指揮者の原田さんのご厚意で今までにない特別な体験をさせていただくことができました。
まさに『ツクル∞ジブン』の趣旨である「めったにできない体験」「本物・本当の体験」「その道のプロに学ぶ」を具現化した講座となりました。
百年以上前の作曲家の思いや苦しみ、葛藤などを言葉でなく、音楽を通じて表現することで、現代の私たちにも多くのことを感じさせ、学ばせてくれることを改めて実感しました。
音楽は言葉を超えて感情や思いを伝える力があり、時代を超えて、作曲家と共感できることを参加者も体感したのではないでしょうか。
大好評により、日本フィルハーモニー交響楽団のご協力を得て来年1月にも実施する予定です。
ひとりでも多くのご参加を心よりお待ちしております。

本物の体験にチャレンジ
未来の自分探し講座

ツクル∞ジブン

教室や教科書では学べない「本物・本当」のめったにできない体験をすることで、未来を自分で考え自分で決める「力」を育む自分探し講座です。

ツクル∞ジブン事務局

Email:eikoh-kikaku@eikoh.co.jp

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