8月16日から17日の2日間のプログラム、栄光キャリアルートが実施した国内留学の様子をお伝えします。
[目次]
国内にいながらにして、海外を身近に感じることができるプログラム。英語による心理的な壁を突破し、瞬間英語発話をトレーニングすることで、英語コミュニケーションスキルを習得します。
この講座は、英語を「学ぶ」だけでなく「使う」ことで、実践的なスキルを身につけることを目的としたプログラムです。
初日は飯田橋の会場で、最新のテーマに関する講義を通じて知識をインプットします。その内容をしっかり理解した上で、翌日のインタビューに向けた準備や練習を行います。
二日目には浅草雷門を訪れ、訪日観光客に対して英語でインタビューを実施します。
これは、学んだ知識を実際に活用するアウトプットの機会となり、英語でのコミュニケーション力を試す貴重な体験です。
インタビュー後は再び飯田橋の会場に戻り、得られた情報を整理し、プレゼンテーションを通じて理解を深めます。
この一連のプロセスを通じて、英語力の向上はもちろん、異文化理解や対話力も養われ、実践的な英語運用能力を身につけることができます。
最初に、すべての参加者がひとつの教室に集合します。
活発な小学生と、やや控えめな中高生が同じ空間にいることで、独特な空気が漂います。 エネルギッシュな講師陣による朝の挨拶と簡単なオリエンテーションの後、アイスブレイクとしてゲームが行われ、場が和やかになります。
その後、年齢やレベルに応じてクラス分けされ、それぞれの教室へと移動します。
参加者は事前に配布されたオリジナル教材や持参物を手に、それぞれの教室へ向かいます。
教材は全クラス共通で使用されるため、内容に差はありませんが、レベルに応じた英語の表現方法や取り上げるテーマ、会話の内容などを柔軟に調整しながら、きめ細やかな指導が行われます。
まず、講師による自己紹介が行われます。出身国や地域について、地理的な位置や文化的な特徴、人気のスポーツや音楽、動物、観光名所、著名人などを紹介しながら、日本との違いや共通点を交えて、楽しく理解しやすいプレゼンテーションが展開されます。
この紹介は単なる自国の紹介にとどまらず、翌日に予定されている浅草での訪日観光客へのインタビューと、それをもとにしたプレゼンテーションの「モデル」としての役割も果たしています。講師は、話の構成だけでなく、ジェスチャーや声の抑揚なども活用しながら、伝え方の工夫を多角的に示しています。
次に講師が初めて日本を訪れた際の体験を通して、来日当初に抱いた印象や文化・習慣の違いに驚いたエピソードを紹介します。
外国人講師から、日本を初めて訪れた際に感じた印象や思いについて、リアルな体験談を聞くことで、明日の訪日外国人へのインタビューに向けた質問づくりの参考にします。
また、日本人にとっては当たり前のことが、外国人の目には新鮮だったり驚きだったりすることを知ることで、異文化理解を深める貴重な時間となるのです。
講師からは、「街中に自転車があふれていて驚いた」「日本人の返答がYesなのかNoなのか判断しづらかった」「自動販売機の数が予想以上に多くて驚いた」など、来日当初の印象的なエピソードが語られます。参加者たちは、それらの話を通して、自分たちには当たり前に感じている日常が、外国人の目には新鮮で意外に映ることを実感します。
参加者は、訪日観光の最新動向や各国からの旅行者数など、現状に関する情報を事前に把握したうえで、2日目のインタビューに臨みます。こうした基礎知識を持って臨むことで、単なる会話にとどまらず、観光客の特徴や傾向を踏まえた深い対話が可能となります。
その結果、観光客の視点をより的確に捉えることができ、質問の質も高まり、具体的な意見や感想を引き出すことにつながります。こうして得られた情報は、翌日のプレゼンテーションに活かされ、より説得力のある内容へと発展していきます。
現状を理解したうえで行動することは、成果を高めるための重要な土台となるのです。
講師は、1964年から2024年まで毎年の訪日観光客数の推移を示すグラフを示しながら「Since 1964, the number of people visiting Japan has been going up. But from 2020 to 2022, the number went down a lot. Why did that happen?( 1964年以降、日本を訪れる人の数は増加してきました。しかし、2020年から2022年にかけては、その数が大きく減少しました。なぜそうなったのでしょうか?)」の質問が出ます。
参加者は少し考え、「Covid!」「Coronavirus」と声が聞こえてきます。
すると講師は「That’s correct!」と答えます。
さらに講師は「In Japan, many people wore masks during this time. But in countries like the United States, wearing masks was not very common. (日本ではこの時期マスクをしていましたが、アメリカなどでマスクを着用することは考えられません。)」と話し、マスクに対する考え方の違いを通じて文化的な背景にも触れました。
こうした発言をきっかけに、参加者は異なる価値観や習慣についても理解を深めることができ、多角的な視点から学びを得る機会となっています。
また、講師は「Where do most people who visit Japan come from? (訪日観光客はどのエリアから一番多く来ていると思いますか?)」の質問を出します。
参加者からは「Europe」「America」などの声が聞こえます。
すると講師はグラフを示しながら、「We often see tourists from Europe and America at famous places or on TV. But actually, many people who visit Japan come from nearby Asian countries like Korea, China, and Taiwan. (確かに観光地などに行ったり、テレビの映像を見ると、欧米の観光客が目立っていますが、実は日本から近い韓国、中国、台湾などアジアの国々から多くの観光客が訪れています。)」と説明します。
一見、難しそうな英語に聞こえますが、ワークシートの利用はもちろん、わかりやすいジェスチャーや表情とメリハリのある英語で小学生の子どもたちでも理解できるよう工夫しながら説明しています。
最後に講師から「Let’s find out why so many people visit Japan in tomorrow’s interview.(なぜこの日本に多くの観光客が訪れるのか?を明日のインタビューで探りましょう。)」の指示が出ます。
次に、世界中から多くの観光客が訪れる「日本」について、その魅力と本質を改めて学ぶ時間となります。
約200ある国々の中で、なぜ日本が選ばれるのか――その理由を探るべく、日本独自の文化や背景に目を向けます。
講師からは、日本が世界最古の皇室を有し、島国として独自の文化を育んできたこと、伝統と最先端技術が共存していること、礼儀や協調を重んじる国民性、そして自然災害への高い対応力などが紹介され、参加者は日本の歴史や文化の奥深さを再認識し、自国への理解を深める機会となりました。
中でも印象的だったのは、講師がホワイトボードに「We」と「I」と書き、日本が「みんな」や「共同体」を重視する文化であるのに対し、アメリカは「私」や「個人」を中心とする文化であると説明された場面でした。
次のステップでは、実践的なインタビュー準備に取り組みます。
2日目に予定されている観光客へのインタビューに向けて、講師による質問内容のレクチャーが行われました。
インタビューを行う前に、基本的なルールについて説明がありました。教材にも書かれているように、協力してもらえるかどうかを丁寧に確認すること、英語を話しそうな人を見た目で判断せず、いろんな人に声をかけること、相手の目を見て話すこと、そしてインタビューの後には感謝の気持ちを込めてお礼を伝えることが大切だとされています。
講師は、参加者の理解を深めるために、観光客役とインタビュアー役を自ら演じて、実際に起こりそうな場面を再現しました。たとえば、急いでいる観光客にインタビュアーが「インタビューにご協力いただけますか?」と声をかけると、観光客役の講師が「急いでいるのがわからないのか!」と怒って立ち去る、というような場面です。
また、インタビューを断られたときの対応や、英語での言い方についても説明がありました。
教材には、英語力に合わせた質問例や、聞き取れなかったときの対応、言い直してもらう表現、道に迷っている観光客への声かけなど、いろんな場面を想定した英語フレーズが載っています。
講師は参加者と一緒に、観光客役とインタビュアー役を交代で演じながら、実際の会話を想定した練習を行い、自然な英語表現を身につけられるように進めていきました。
その後、翌日に行うインタビューの質問内容を決める時間となります。
教材に載っている質問例を参考にしながら、講師と参加者が意見を出し合い、実際に使うフレーズを選んでいきます。
まずは「ご協力いただけますか?」という導入の言葉から始めて、自分たちの立場の説明や、観光客が初めて日本に来たかどうかなど、質問の流れを相談しながら組み立てていきました。
選ばれたフレーズはホワイトボードに書き出され、インタビューの構成がはっきりしていきます。
最後は「Thank you very much for your cooperation. (ご協力いただき、ありがとうございます。)」という感謝の言葉で締めくくり、インタビューの流れが完成しました。
参加者たちは、事前に選んだ英語フレーズを使って、互いに観光客役とインタビュアー役を交代しながら、実践的な練習を始めました。
ロールプレイが一通り終わると、講師が声をかけます。
「協力してくれた観光客への感謝の気持ちを込めて、折り紙で鶴を作りましょう。」との呼びかけで、参加者たちは持ってきた折り紙を手に、静かに鶴を折り始めました。
鶴がある程度できたところで、講師から翌日の集合場所や時間、持ち物などの案内があり、この日のレッスンは無事に終了しました。
2日目の朝です。
浅草の雷門での集合となります。
今日の天気は朝とはいえ、すでに汗ばむ陽気となっています。
そして、早くも数多くの外国人観光客が雷門で写真を撮影したりと、にぎわっています。担当講師や同じクラスの友達と元気な挨拶を交わした後、移動となります。
インタビューを行う前に、全員でインタビューの成功を祈願すべく浅草寺でお参りを行います。
その後、インタビューを行う場所へと移動します。
講師とインタビューのルールや質問内容を再度確認した後、いよいよインタビューが始まりました。
参加者たちは緊張のためか、なかなか声をかけることができず、目の前を多くの観光客が通り過ぎていきます。
そこで講師が率先して手本を示すため、二人組の外国人に声をかけました。
「インタビューに協力してもらえますか?」「どちらから来られたのですか?」「日本に来た目的は?」「日本で驚いたことはありますか?」など、昨日練習した質問を丁寧に投げかけていきます。
参加者は初めはなかなか行動に移せずにいましたが、講師が「声掛け役」「インタビュー役」「地図に出身国を記す役」「記録係」「鶴を渡す係」などの役割を明確に割り振り、順番に交替しながら担当することで、個人ではなくチームとして協力しながらインタビューを進めるという意識を改めて共有しました。
すると参加者も安心したのか、積極的に観光客へ声を掛けまじめます。
観光客も決して嫌な顔をせず、とても好意的にインタビューに答えてくれます。
予め配布されている世界地図で出身国に印をつけたり、訪日の目的をメモしたり、聞きなれない国の名前を耳にした場合は「Please say that again.(もう一度言ってください。)」とお願いするなど、立派なインタビュアーになっています。
参加者たちは、「What is the purpose of your visit to Japan?(日本に来た目的は何ですか?)」などの質問を通して、訪問理由の傾向を少しずつ把握していきました。 「知らない文化を体験してみたかったから」 「日本のアニメに興味があったので」 「日本が好きだから」など、さまざまな理由が挙げられました。
続いて、「What surprised you in Japan?(日本で驚いたことは何ですか?)」という質問を投げかけると、 「喫煙所が見つからなくて驚いた」 「地下鉄のシステムにびっくりした」 「街がとてもきれいで洗練されている」など、印象的な答えが返ってきました。
いくつかの質問を終えたあと、最後に「Do you have any advice for us students?(私たち学生にアドバイスはありますか?)」と尋ねると、 「もっと英語を勉強するといいよ」 「(メキシコがどこにあるか知らなかった人がいたので)地理の勉強も大事だね」など、さまざまな助言をもらうことができました。
インタビューの締めくくりに、参加者たちは手作りの折り鶴を観光客に渡しました。 「So cute!」「Beautiful!」「Cool!」といったうれしそうな反応が返ってきて、受け取った方々がとても喜んでくれました。 その様子を見た参加者たちも思わず笑顔になり、温かい雰囲気に包まれました。
気付くとあっという間に時間となります。
参加者が使っていた地図には、インタビューを行った人々の出身国が各エリアに印として記され、オリジナル教材のメモ欄には、インタビュー中のやり取りや回答、心に残ったフレーズなどが丁寧に手書きで記録されており、参加者の熱心な姿勢がうかがえます。
参加者たちはインタビューを終了し、浅草文化観光センターの8階にある展望テラスへ移動します。
そこから美しい浅草寺周辺の景色を見下ろした後、飯田橋の栄光ビルへ移動となりました。
昼食を終えて栄光ビルに戻った参加者たちは、すぐにインタビュー結果の整理と分析に取りかかりました。講師のサポートのもと、各質問に対してどんな回答が多かったのかを一つひとつ確認していきます。
訪日目的で特に多かった理由は何か、人気の食べ物はどれか、日本で驚いたことにはどんな傾向があるのかなど、参加者たちは自分たちのメモをもとに情報を分類しながら、丁寧に分析を進めていきました。
このような活動を通して、ただ英語で会話をするだけでなく、得られた情報を整理し、考察する力を育む貴重な学びの時間となります。
インタビュー結果の整理を終えた参加者たちは、次にプレゼンテーションの準備に取りかかります。 単に情報を並べるのではなく、伝わりやすい発表の構成を意識しながら、どのように内容をまとめて発信するかを学んでいきます。
効果的に伝えるための工夫を取り入れながら、集めたデータを自分たちの言葉で表現する力を養っていきます。
講師は、参加者たちにプレゼンテーションを「導入(Introduction)・本論(Body)・結論(Conclusion)」の3つのパートに分けて構成する方法を教えます。
それぞれの部分が果たす役割を理解しながら、情報を効果的にまとめて伝える力を身につけていきます。
導入では、聞き手の興味を引きつけながらプレゼンの目的をはっきり伝えること、 本論では、インタビュー結果を分析し、訪問理由や人気の日本食などについて、具体的な回答を交えて説明すること、 そして結論では、インタビューを通して得た気づきや感想を振り返ることがポイントです。
さらに講師は、プレゼンをより魅力的にするための言い回しや伝え方の工夫、 姿勢やジェスチャーといった非言語コミュニケーションの重要性についても指導します。
教材には図やイラストが豊富に使われており、良い例とそうでない例が比較されているため、講師の英語による説明を補いながら、参加者が内容をより深く理解できるようになっています。
参加者たちは、文章にまとめながら考えを整理したり、仲間と相談しながらアイデアを広げたり、何度も練習を重ねるなど、自信を持って発表できるように取り組んでいます。 その姿からは、発表に向けて真剣に準備する姿勢と、伝えたいという強い気持ちが感じられます。
そして本番の時間となります。
発表の場では、参加者たちはまず丁寧なあいさつとともに、自分の名前や学年を紹介し、プレゼンテーションをスタートしました。
その後、インタビューで出会った観光客の出身国や訪日目的、日本で驚いたことや感心した点など、実際の会話をもとに印象的なエピソードを交えて紹介していきました。
たとえば、「日本では日常的な地下鉄が、外国の方には新鮮に映っていたこと」や、「日本人の親切さや街の美しさに驚いていたこと」、「英語が母語でない人たちが自信を持って英語で会話していたこと」など、参加者たちはそれぞれの気づきや驚きを、自分の言葉でしっかりと伝えていました。
また、発表では、ただ原稿を読むのではなく、聞き手と目を合わせたり、声の強弱をつけたりと、伝え方にも工夫を凝らしながら、これまでに学んだことを実践しようとする姿勢が見られました。
その結果、内容の深さだけでなく、話し方や表現にも工夫が光る、質の高いプレゼンテーションとなりました。
プレゼンテーションを終えたあと、参加者たちは英語を使ったアクティビティで盛り上がり、会場には笑顔と笑い声が広がりました。 その後の解散時には、初日の緊張した面持ちとは打って変わって、達成感に満ちた晴れやかな表情が印象的でした。 自分の力でやり遂げたという自信が、一人ひとりの顔にしっかりと表れていました。
この2日間、参加者たちは「英語を実際に使う」ことに真剣に取り組みました。
教室での学習では得られない、リアルなコミュニケーションの場に身を置くことで、言葉が通じたときの嬉しさや、思うように伝えられないもどかしさを、実体験として味わうことができました。
インタビューの準備では、単に質問を並べるのではなく、相手が話しやすくなるような工夫や、聞きたい内容を明確にする力を養いました。
普段は「標準的なネイティブ英語」に慣れている参加者たちも、実際の会話では、英語が母語でない人々の話し方やアクセントに戸惑う場面もありました。
聞き取りに苦労したり、言葉が出てこなかったりすることもありましたが、そうした経験こそが、実践的な学びにつながりました。
また、英語を母語としない人々が、自信を持って英語でコミュニケーションを取っている姿に触れ、参加者たちは大きな刺激を受けたことでしょう。
この講座では、「英語を学ぶ」こと以上に、「英語を使って何かをする」ことに重点を置いています。
英語をコミュニケーションの手段として活用することで、学びがより深まり、英語を話すことへの抵抗感も自然と薄れていきました。
「英語を勉強しなさい」と言われて取り組む受け身の学習ではなく、この講座を通じて、参加者自身が「英語を学ぶ意味」や「使う楽しさ」に気づき、主体的に学ぶきっかけを得ることができたのではないでしょうか。
この経験が、今後の学びや新たな挑戦へとつながっていくことを願っています。
これからもこの取り組みを継続し、若い世代が自信を持って世界へと踏み出すための支援を続けてまいります。
栄光留学事務局
Email:studyabroad_ecr@eikoh.co.jp開催日時
2025年12月14日(日) 10:00~12:00申込締切
2025年12月09日(火)開催日時
2025年12月14日(日) 13:00~15:30申込締切
2025年12月09日(火)開催日時
2025年12月21日(日) 10:00~16:30申込締切
2025年12月16日(火)開催日時
2025年12月22日(月) 00:00~00:00申込締切
2025年10月31日(金)開催日時
2025年12月26日(金) 00:00~00:00申込締切
2025年10月31日(金)